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2022.8.4

家族が安心して帰りたくなるマンションへ

Yuta Katsuma
Before
―物件の課題―
  • 躯体コンクリ爆裂等の症状あり
  • 賃貸住宅が多いエリアの中で駅から12分と距離がある
  • エントランスが暗い印象になっている

 ご相談の内容

 劣化が進み危険な状態になっているのと、近隣物件との差別化を図りたい

 こちらの物件の管理会社様より、一部躯体のコンクリートの爆裂・落下が起きている物件があり、全体の劣化具合も含めて建物診断をしてほしいとご相談をいただきました。今後の台風や地震による影響をオーナー様も非常に心配されていました。

実際に現地調査をしてみると、躯体だけでなくシールの劣化も著しく、タイルの浮きや目地の欠損などもあったことから、出来るだけ早く大規模改修に取り掛かることをお勧めしました。また、オーナー様とのお話の中で、外観は建設当初から特に何も変わっていない為、このエントランスの無機質な印象も一新できたらという声もあり、大規模修繕と合わせて入り口のリノベーションもご提案する運びとなりました。

プランニングのポイント

既存入居者に喜ばれるデザインで、入居者満足度を高め退去を防止

提案当時、特段長期の空室に悩まれている訳ではなかったのですが、出来る限り長く入居者の方に住んでもらうことは重要であるため、主要であるファミリー層に喜ばれるようなリニューアルを行い、入居者満足度の向上、退去の防止を意識したプランを立てました。

今回の改修では、外観の既存部分も活かしながらリノベーションを行うことになったので

1.リノベーション箇所と、既存部分とを違和感なく馴染ませながら印象を変えること
2.無機質なイメージを、比較的若いファミリーの親和性もあるデザインにすること

の2つがプランニングのポイントになっています。

ポイント1.リノベ箇所と既存部分を馴染ませつつイメージをリニューアル

これまでは、視認性が高い物件ではあるものの、ベージュ一色のみの平坦であまり特徴のない物件でした。タイル壁の物件なので、全体の色変えはコストからみても非効率でしたので、エントランスリノベーションと合わせて、既存壁の一部色を変えるツートーンでのデザインをご提案しました。この物件は、単調な外観とも相まってエントランスの主張がだいぶ控えめに感じていたので、ダークトーンで区切ったラインを作ることで、あらためて入り口を主役にさせてあげる必要がありました。

エントランスのリノベーションにあたっては、タイル生かしではなく異なる素材でデザインしていこう、と考えておりました。櫛引き模様のブルーの左官材をアクセントに、既存の館銘板が物件の暗さの原因にもなっていたので、あわせて今回はサイン・リニューアルもご提案。日本語のフォントを、英フォントの真鍮の切り文字で新調しました。その辺りを基点に、こちらも高級感+クラフト感を与えやすい木目調タイル敷きで、一目で『リノベ済み物件』と分かってもらえることを意識しました。

ポイント2.若いファミリーにも喜ばれるデザインに

こちらの物件の目の前には、十分な広さの公園があり、小さいお子さんを持つご家族が多く住んでいました。ご家族にとっては公園は嬉しい特典だなぁ、と思いながら、走り回る子どもたちを見ていたのですが、物件の防犯面についてはオートロックなどの設備はなく少し心配。今回、防犯対策のリニューアルはありませんでしたが、少しでもこの機会に抑止になるよう、照明器具のLED化で外観の光量の改善をポイントとしました。結果的にこの物件の特徴である開けた視認性の良さが、ポジティブに働き、周囲の通りまで明るく照らしてくれるようになりました。

機能面では、時代のニーズに合わせて宅配ボックスも新設しホスピタリティを追加しました。また、エントランスの床に埋め込んだソーラーLEDは、意匠の役割と、小さなお子様やお子様を抱いたご家族の方が足元に注意できるよう設置しています。

内容【大規模修繕工事】
外壁タイル打診調査・張替、シール打ち替え、外壁塗装、付帯部塗装、バルコニー防水、屋上防水トップコート、長尺シート張替え工事、照明交換工事
【エントランスリノベーション】
一部壁ジョリパッド仕上げ、照明器具新設、床タイル張替、物件サイン交換、袖壁解体、ポスト交換、宅配ボックス新設、ドア枠化粧シート工事、ドア取手交換、外壁タイル化粧パネル上張り
工事価格帯~2500万円
所在地神奈川県横浜市 最寄り駅より徒歩12分
構造鉄筋コンクリート造
竣工年1994年
階数地上4階

最新施工実績