アパートやマンションの大規模改修や外壁塗装の検討時期はいつから?
アパートやマンションを経営するうえで、切っても切り離せない、外壁や外構のメンテナンス。費用も高額で工事範囲も広く考えなくてはいけないことが多いので、ついつい腰が重くなってしまい、後回しにしてしまいがち、なんてことはありませんか?
大規模改修や外壁塗装などは、美観を維持するだけでなく、建物の寿命を延ばすためには欠かせない投資になります。今回は、大規模改修や外壁塗装などのメンテナンスの検討時期についてご説明します。
大規模改修や外壁塗装の修繕周期の目安
アパートやマンションの外壁は、雨風や紫外線などの自然環境の影響を受けて劣化が進むため、改修するべきおおよその周期が国土交通省や協会などからガイドラインにて示されています。比較的低単価での工事が可能な内装と異なり、物件全体のメンテナンスは費用も高くなります。修繕周期を念頭において、どのくらいの時期にメンテナンスをするか計画を立てて、前もって予算を確保しておくことが望ましいでしょう。
部位 | 修繕内容 | 修繕周期 |
---|---|---|
外壁 | シーリング打替 | 5~15年 |
コンクリート補修 | 9~15年 | |
外壁塗装塗替 | 8~18年 | |
タイル補修 | 10~15年 | |
屋上・屋根 | 屋上防水補修 | 9~15年 |
傾斜屋根補修 | 9~15年 | |
バルコニー・廊下・階段 | バルコニー防水補修 | 9~18年 |
階段・廊下防水補修 | 10~18年 |
国土交通省住宅局「賃貸住宅の計画的な維持管理及び性能向上の推進について~計画修繕を含む投資判断の重要性~」平成31年3月より抜粋
改修をするべきタイミングを知らせる、症状のサイン
ガイドラインに示されている改修周期を参考にしながら、実際に物件を見て、改修をすべき時期かどうか判断していきます。チェックするポイントは、以下の3つです。
- シーリング
- チョーキング
- ひび割れ
これらは、どれも簡単にチェックできますので、定期的に確認をしてみて、以下のような状態になっていたら、具体的に大規模改修や外壁塗装の検討を始めていきましょう。
<1.シーリング>
シーリングとは、外壁の継ぎ目の隙間にある目地材のことですが、これは部材の隙間からの浸水を防ぐ役割をしています。外壁と目地材の間に隙間があったり、破断があったりすれば、改修の時期になります。ここは比較的劣化が激しい箇所とも言われていて、それだけ躯体を守るために重要なところになります。
<2.チョーキング>
外壁を触った際に、手に外壁の色と同じ粉が手に付くことをチョーキング現象(白亜化現象)と言います。紫外線や直射日光、雨風などの影響で、塗料の中の合成樹脂が分解され、顔料が粉状になって塗装表面に現れたものです。
この現象が起きているということは、塗料が劣化している状態で、塗り替えの検討時期になります。これを放置すると、紫外線や雨風から家を守る役割が低下し、雨水の侵入や、コケやカビ、ひび割れの発生の原因にもなりかねません。年月とともに必ず発生しますので、定期的にさっと外壁に触れて確認をしてみましょう。
<3.ひび割れ>
亀裂やひび割れの事をクラックとも言い、外壁だけでなく、腰壁の笠木のモルタルやコンクリートの床にもできます。このひびの間から内部に水が浸入して、躯体がさびや腐食を引き起こす要因となりますので、放置するのはとても危険です。
中でも、注意しないといけないのは、幅0.3ミリ以上のひび割れです。日本建築学会の基準で、幅0.3ミリ以下のひび割れであれば水が入りにくいということで許容されていますが、0.3ミリを超える亀裂がある場合は、水が浸入しやすいので、補修を検討し始める時期となります。
工事発注の前に、プロの目でしっかりと物件の調査を!
物件の症状から、具体的に大規模改修や外壁塗装の検討を始めたら、いきなり見積もりを依頼したり、発注をしたりするのではなく、まずは、物件全体をプロの目で見てもらいましょう。
物件の劣化度に応じて、下地処理などの必要な工事は変わってきます。時間をかけずに早く業者を決めようとして、簡単な見積もりだけを出してもらって工事の発注をしてしまうと、発注した後に工事が増えたり、工事が終わったばかりなのに漏水が発生したりと、予定外の出費などのトラブルに見舞われることもあります。
無駄なコストをかけずに、しっかりと納得のいく大規模改修や外壁塗装をするためには、正しく物件の状況を把握して、それに合わせた改修をしていくことが重要になります。改修の時期であるというサインを見つけたら、それ以外の箇所はどうか、一般の人では見られない高いところに問題がないかなどを、診断を通じてプロの目でしっかり見てもらいましょう。
家町装飾では、無料で建物診断を実施しています。実際に現地を見て、物件の劣化状態をみる機能面だけでなく、入居付けなどを左右する印象面からも調査を実施し、多角的に物件を診断して、写真や解説などを合わせた診断書としてお渡ししています。
今の物件の状態について、建物のプロに診断してもらい、必要な工事の見極めや、改修を行うべき時期の把握などにお役立てください。
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