カフェのような街の不動産屋さんへ

 ご相談の内容

大規模改修のタイミングと合わせてコスパ良く課題を解決したい

こちらの物件は、1階にある不動産会社様が管理されている物件で、上の3階は賃貸住宅として主に単身者の方が入居していました。オーナー様のご意向で大規模修繕のご相談をいただいたことがきっかけでした。

お話を伺うと、敷地の防犯面や雑然とした印象に課題を感じており、今回の修繕と合わせて解決をしてほしいとのご要望を頂きました。中でも、夜間になると脇に人がたむろしやすく（時にはお酒に酔った人が座り込んでいたり・・・）とても悩まれておりました。また、外観を変えるのであれば、1F店舗の印象も変えて、もっと多くの来店に繋がるようリニューアルしたいとのことでした。

プランニングのポイント

物件全体と店舗のリニューアルのバランスをとりつつ、店舗としての課題を解決

建物の劣化を直す大規模修繕だけでなく、敷地の防犯性や、店舗の集客や印象を改善されたいとのご依頼ですので、ショップロゴやサインを含めた外観・内装の全体的なリノベーションを提案しました。物件全体と店舗のトーンがまとまるよう、統一感のある意匠をご提示しました。

１．物件部分と店舗部分の親和性を持たせた外装リノベーション
２．店舗としてのイメージアップを狙う内装リノベーション

の２つを軸にプランニングをしました。

ポイント１．物件部分と店舗部分の親和性を持たせた外装リノベーション

元々、一面同一色のタイルで、前面に店舗看板が付いているだけの設えでした。『カフェのようなイメージにしたい』と不動産会社様からご要望を頂きましたので、英国の小さいカフェをイメージし、装飾モールディングを使った黒い外観を基調に考えていきました。統一感もキーワードにあったため、物件の入口への外壁も既存タイルを塗装し意匠が壁続きになっているかたちでゾーニングしました。

店舗の細かい装飾として、不燃の外装木製パネルでアクセントを設けました。また、家町装飾がいつもご提案するサインのリニューアルについては、法人名からメイプルを取って「楓の葉」のモチーフとしたロゴと、アルファベットの切り文字でデザインをお渡ししました。館銘板やサインは、低コストながら物件のオシャレ度を一気に演出してくれるアイテムです。こういったディテールの部分で高級感を付け加えていきます。

物件アプローチ動線には、壁付のブラケット照明を配置したので、例のたむろスポットも全体的に明るくなり抑止力に繋がるかたちとなりました。

ポイント２．店舗としてのイメージアップを狙う内装リノベーション

従来は、『ザ・町の不動産屋さん』といった、ごくごく一般的なお店構えでありました。地元密着数十年の長く親しまれてきた不動産屋さんですが、物件探しはネット主流の世の中。さらに来店の機会が増えるよう、あえてカフェのようなお店なんてどうだろう、とご意見があり、こちらもワクワクしながら打ち合わせしていきました。
できるだけ元々あったアイテムを使いつつ、外観とバランスを取りながら不動産カフェをデザインしました。
スタッフの方との事務スペースがオープンだった為、簡易的な間仕切り壁をつくり、カフェのカウンターのような設えに。天井はステン塗料で塗ったラワンベニヤを張ったり、集成材の棚板を各所に設置したり、素材感を感じるナチュラルな空間に生まれ変わりました。

また、不動産屋の代名詞、募集図面の掲示やキャンペーン掲示版の部分もリニューアルしました。防水仕様の外部掲示板を設置したり、差し替えしやすく見栄えの良いボ重図面専用ラックをガラス面に作成したり、お店のスタッフの方が使いやすい機能もあわせて施工させて頂いています。

今回のリニューアルが終わり、足を止めてくれる方が増えたという嬉しいお声を頂きました。

内容	【大規模修繕工事】 　外壁タイル打診調査・張替、シール打ち替え、外壁塗装、付帯部塗装、タイルクリア塗装、RC面撥水塗装、バルコニー防水、屋上防水トップコート、照明交換工事 【エントランスリノベーション】 　モールディング化粧材取付、天井化粧パネル張り、床長尺シート張り、自転車止め設置、照明器具交換・新設 【店舗リノベーション】 壁造作、店舗看板リニューアル、天井化粧パネル張り、壁木製パネル張り、カッティングシート貼り クロス張り、床フロアタイル張り、天井ベニヤ張り、棚板造作、カウンター造作、入り口扉枠ダイノックシート貼り
工事価格帯	~1500万円
所在地	神奈川県川崎市中原区　最寄り駅より徒歩1分
構造	鉄筋コンクリート造
竣工年	2003年
階数	地上４階