- ―物件の課題―
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- 女性をターゲットにイメージ向上を図りたい
- 繁華街が近くエントランスに入居者以外の人の立ち入りがよくあり防犯性を高めたい
ご相談の内容
定年を意識して大規模リニューアルを決意、女性をターゲットに物件のイメージ向上させたい
オーナー様は会社勤めの傍ら物件経営をされていて、ローンを組むような大規模なリニューアルをするなら、勤めている間に完済できるようにしたいとのお考えで、定年を見据えたタイミングでご依頼を頂きました。
入居者の男性比率が高まっていたこともあり、女性をターゲットにリニューアルをして、物件イメージを向上させていきたいと課題感を伺いました。一般的に、男性と比較して女性は家賃以外をきっかけに入居を決める傾向が強く、女性をターゲットに空室対策をすることで、家賃下落の予防をはかることができるからです。
繁華街に近い立地で、夜道の不安はそこまで感じないものの、エントランス前には雨宿りなどで入居者以外の人が入り込むことがよくあるというのがオーナー様のお悩みでもありました。
プランニングのポイント
常識にとらわれないプランで、唯一無二と感じられる物件へ
当初はいわゆる女性好みとされるテイストでアイデアをいくつか出していたのですが、賃貸探しをしている方の好奇心を刺激するためにも、敢えて住宅ではあまり使われない色味を取り入れるという、挑戦的なインテリアを採用し、他物件との差別化をねらっていくことに。
1.自然を感じる素材を取り入れ、防犯性向上と、あたたかみを感じられるエントランス
2.照明とアクセントカラーにこだわり高級感と清潔感をもたせ、印象に残す共有部
の2つをご提案させて頂きました。
ポイント1.自然を感じる素材を取り入れ、防犯性向上と、あたたかみを感じられるエントランス
グレーを基調としたワントーンの外観、内装となっていて、落ち着いた印象である一方、それは、事務所ビルのようで、無機質さや少し冷たい印象を感じさせるものでもありました。
防犯性を高めるというと、オートロックや防犯カメラなどがまずアイデアとして出てきますが、今回は異なるアプローチをとっています。住人以外が立ち入ってしまうという問題について、今回は、デザインで解決していくことになりました。
エントランスは余りにもひらけた空間が入りやすさを感じさせていたので、ルーバーを段違いに配置し入り口を狭め限定的にすることによって、”敷地に入る”という印象を与えられるような設計としました。それに加え、照明も数を増やし、明るさをしっかりとったことで、エントランスらしい顔になっています。
ルーバーは、目隠しとしての効果もありながら、完全な死角にはならず見通しを確保できるので、安心感ももたらせます。自然を感じられる木目調の素材を軒にも採用し、また床タイルや壁、照明も明るい色味へ変更し、帰ってきた時に温かみを感じられる空間に仕上がったのではないでしょうか。
ポイント2.照明とアクセントカラーにこだわり高級感と清潔感をもたせ、印象に残す共有部
お打ち合わせの中で、オーナー様は原色などのポップなデザインがお好みというお話が出ました。その話題から、女性がターゲットだからとありがちな柔らかい色味にするのではなく、インテリアにあまり使われない原色に近い色をアクセントにして、非日常感を演出する方針へと全体のプランが固まっていきました。今後の入居付けを意識して、『内見に繋がるデザイン』を狙うことに。
無彩色で、特に抑揚がなかったところに、エレベーターの中から見える正面部分にだけ、アクセントとして色味を取り入れました。エレベーターや玄関扉は既存のままですが、シート施工で色を合わせています。
そして、原色の壁にするだけではややきつい印象の空間になってしまうので、照明と組み合わせてデザインしていくことも重要でした。
もともとは事務所などで使われるような逆富士型のベースの照明で、必要以上に明るすぎる箇所もところどころ見られます。
今回は非日常感の演出がテーマでもあったので、共有部の廊下は全体の照度は落とし、玄関扉前やEV前など部分的に強い光を取り入れ、ギャラリーやホテルを連想できるような空間に仕上げました。
照明の光量を利用して、空間に強弱をつけることで、さらに特別感ある空間になり、事務所風だった以前の姿は想像できないほどになりました。
内容 | 【エントランスリノベーション】 物件サイン交換 床タイル張替 壁塗装 モニターインターフォン交換 ポスト交換 宅配ボックス新設 照明交換 ドア交換 【共有部改修】 床塗装 玄関ドア化粧シート張替 長尺シート張替 照明交換 ルームナンバーデザイン |
工事価格帯 | ~1,200万円 |
所在地 | 東京都墨田区 最寄り駅より徒歩5分 |
構造 | 鉄骨造 |
竣工年 | 1998年 |
階数 | 地上6階 |